イタリアで親しまれているエスプレッソはバールだけではなく、
家庭でもモカという器具で抽出して、毎日のように飲まれています。
日本でもお馴染みとなっているモカは、下の容器に水を入れ、
中間部分にコーヒーの粉を詰め直火にかけると、
水が沸騰してコーヒーの粉の部分を通過し上
部に抽出されたコーヒーがたまるという仕組みになっています。
昨日、夕食に招待された友人マリアエレナの家では、
このお馴染みのモカを見ることができません。
ナポリ出身のこの家族、まったく形の違うナポリ式器具で
コーヒーをいれて飲んでいるそうです。
どんな仕組みになっているかというと、
水を入れて沸かし湯にする部分と中間のコーヒーの粉を入れる部分、
抽出されたコーヒーを受ける部分からなっているのはモカと同じ。
ただ、ナポリ式ではお湯が沸いたら器具自体を上下を逆さに返し、
お湯の入っている部分を上にして、
中間のコーヒーの粉の部分を通過させてから
下に出来たコーヒーをためる仕組みとなっています。
このため、火にかけるときはコーヒーのポットが
逆さまになるようにセットします。
言葉で説明するのが少し難しいですが、
要はドリップ式と同じになります。
「モカのように濃いだけのコーヒーではなく、
マイルドでありながらコーヒーのうまみがぎっしりるまっている」
と彼らは語っていました。
ちなみに昨晩のメニューを紹介しますと、
抜群においしかった「ピッツェッタ(ナポリの家庭でおなじみの揚げピザ)」に、
盛りだくさんのチーズ、野菜各種、とうもろこし(!?)
そして、マンマお手製のティラミスまでという、
今朝になっても消化しきれていないフルコースでした。
もちろん、ティラミスに使うビスケットをしめらすコーヒーも
このナポリ式器具でいれた物でした。
Attico Italia 田中裕子