イタリアでは季節によって市場に並ぶ食材もがらりと変わります。
11月になり、屋台に続々と顔を見せ始めたのが「プンタレッレ」。
チコリの一種であるプンタレッレは、ローマでのみ食べられる冬野菜です。
にょきにょき生えるこの野菜はスプンターレ(生える)という言葉から、
プンタレッレと呼ばれているようです。
食べ方は、ナイフで細く削いで水にさらしてから、
アンチョビとニンニク、オリーブオイル、レモンで味付けするのが一般的。
ほんのり口に残る苦味と、しゃきしゃきした食感が、この野菜の魅力ですが、
食せる形にするための「細く削ぐ」のが非常に手間のかかる作業で、
市場では、削いだものと、削がずにそのまま丸ごとのものと両方売っています。
この2つでは、削ぎ代分ということなのか、
1キロで2ユーロ程度も削いだ物の方が高く売られています。
それもそのはず、野菜を売る屋台の裏では、
このすぐに食べられるプンタレッレを作り上げるために野菜箱に腰をかけて
もくもくとプンタレッレを削いでいるおばさんの姿が見かけられます。
おばさんに敬意を払い(!?)私はこの2ユーロ/kg高いほうを買っています。
Attico Italia 田中裕子