笑えるネタをと思いつつも、右を見ても左に目を向けても
『不況』『経済危機』の二文字が目につく昨今のイタリア。
クリスマス前にイタリアへ戻り、滞っていた支払をしよう
と銀行に行ったら、今年から週に1000ユーロ以上の現金
は引き出せないとのこと(絶句)。自分の口座なのに。
高額の移動を必要とする場合はしかるべき書類への記入が
必要となるそう。
郵便局の窓口で年金を現金で受け取ることもできなくなり、
私の知人のお父さん(95歳)は口座を開くことを余儀なく
されたとか。しかも、ここでも1000ユーロ以上を一度に
引き出すことができないため、限度額をほんのわずかだけ
上回る年金を全額受け取るのに、二度も郵便局へ足を
運ばなきゃならない…と嘆いていました。
イタリアの口座は印紙代やら税金やら手数料やら、
口座維持のためにわけのわからない費用がかかり、
微々たる利子がついても、預けている元金を割って
しまうので年金も目減り。踏んだり蹴ったりです。
現在、イタリアで需要のある仕事は、国際ビジネスに
精通した弁護士だそう。母国語の他、最低2ケ国語の
知識が必要だとか。
またはそのほとんどが海外からの出稼ぎである家政婦
さんやひとり暮らしの高齢者を住込みでケアする仕事。
イタリア社会で今必要とされているのは、いわゆる、
超ホワイトカラーか、専門的な資格を必要としない、
どちらかと言えば多くのイタリア人がやりたがらない
仕事と、両極端に分かれるわけです。
そんななか、ここ数日、国会議員の高額な給与が
やり玉に挙っています。以下が欧州5ケ国を比較
した下院議員の給料 (税引き前)だとか。
イタリア…16,000ユーロ (160万円)
フランス…13,500ユーロ
ドイツ…12,600ユーロ
オランダ…10,000ユーロ
スペイン…4,300ユーロ
国会議院1人につきかかる経費や特別手当も他国に
比べ、イタリアが最も高額だそうです。さらに、
交通費(飛行機、電車、船、高速道路)は全て無料。
国会ではすでに (当然のごとく) 減額反対の声が
上がっていますが、本当にここに切り込めたら、
『モンティ内閣あっぱれ』ですよね。
アッティコ・ローマ
村本幸枝