イタリア(というか西洋社会)では食事の際、
音をたてて食べるのはタブー。
それくらいのことは皆さんもご存知ですよね〜。
おそばやうどんのようにスパゲッティを吸い込む。
音をたててスープをすする。これは絶対にNGです!
以前はイタリアのレストランでけっこう見かけた
ロングパスタをずるずると吸引しながら食べる
日本人も最近はあまり目にしなくなりました。
右手のフォークですくったスパゲッティを左手に
持ったスプーンの上でくるくる巻いて食べるのも
イタリアではエレガントな食べ方とはされていません。
(ずっと以前は多くの日本人がこれが正式な食べ方と
勘違いしていたようですが…)
びっくりしたのは、
ナイフとフォークでスパゲッティを細かく切り刻み、
それをフォークですくって食べているイギリス人。
あれを目にした時は唖然としました(苦笑)。
ワインを注がれる際にグラスを持ち上げるのもNG。
日本では(とくに女性は)グラスの底にも手を添えて
注いで頂くのが美しいとされていますよね〜。
ところ変わればエレガントの観点も様々です。
で、やっとここからが本題。
『へぇ〜そうなんだぁ〜』と意外だったこと。
それは友人の家でのディナーのとき。
前菜が奇麗に盛られた大皿がテーブルに出され、
『あなたからどうぞ』と言われた私。
取り分け用に添えられていたフォークとスプーン
を利き手に持ち、美しく前菜を挟み取ろうとした
のですが、不器用な私はすぐにギブアップ(苦笑)。
『これ苦手〜』。デヘっと照れ隠しする私に
『両手を使って取ればいいのよ』と友人がひと言。
さらに『それが上手にできたら給仕をすること
に慣れている人と思われるからいいのよ。
無理にできなくても』と、説得力のある説明も。
ということは『片手技』ができる人があえて
『技』を隠すのもアリってこと?
言われてみればイタリアではレストラン以外で
『片手技』を見かけたことがないような…。
私は単にイタリア人は手先が不器用だからだと
思っていたのですが。
それにしても淑女のたしなみとして必要だと
思い込んでいたあの『片手技』が、実は逆の
意味を持つと知り、ちょっと衝撃的でした..。
(オーバーか?笑)
人生、学ぶべきことはまだまだありますね〜。
アッティコ・ローマ
村本幸枝