ナポリの新しい観光スポットに地下道が仲間入りする模様。
古代ローマ時代のナポリは現在よりも低い位置に建設されており、
今でもナポリの旧市街地の地下には古代都市の一部が残っています。
その多くは、後に教会の地下埋葬室や倉庫、
下水道などに利用されてきましたが、
ナポリではここ40年ほど、地下の発掘作業が盛んになっており、
その一部はすでに見学が可能になっています。
今回、ナポリ市があらたに誕生させようとしている観光スポットは
「地下のブルボン家」と名付けられた一連の地下道。
ナポリ中心部のモレッリ通り周辺の地下15メートルに
張り巡らされているとのこと。
この地下道、もともとは古代ローマ時代の水道橋が通っていた場所のようで、
1600年代には貯水池として掘り起こされ、
ブルボン家統治下の1800年代には、フェデリコ2世によって、
王宮とパーチェ通りの兵舎間の秘密地下道として再建設されたようです。
その後、第二次大戦中は防空壕や地下の公衆トイレとして使われていたことも
あったようで、その名残か、地下道には年代ものの車が数台、放置されていたとか。
ナポリらしい…(苦笑)。
ナポリ市はブルボン家がつくった地下道を完全修復し、
来年5月を目処に「地下のブルボン家」と題した新しい観光スポットとして
誕生させたいと、意気込んでいます。
最近、ゴミ問題や治安の悪さやモッツァレッラチーズのダイオキシン問題など、
悪い面でのみクローズアップされることの多いナポリ。
なんとか巻き返しを図り、旅行客を呼び込みたいということなんでしょうね…。
アッティコ・ローマ
村本幸枝