日本にはないイタリアの光景…

長年イタリアで暮らしていると住み始めた当初は
非常に驚いた光景が当たり前の出来事になってしまうもの。

「これ、日本じゃあり得ないよな~」
あらためてそう思ったのが、帰国へ向けての買い物を終え、
自宅へ戻る途中だった昨日のこと。

このところクリスマス前で道路はどこも混雑。
そこで普段はあまり通らない細い抜け道を行くことに。
センターラインなし。カーブ多々。見通し悪い田舎道。

そんな悪条件にも関わらず、この抜け道ではいつも
対向車がかなりのスピードで反対車線にはみ出しながら
突っ込んでくるので、通常は避けているのです。
(運転に自信があるのか、単におバカなのか不明…)、

その日も対向車がビュンビュン。
さらに交通量は普段より多く…。
いつも以上に腰が引けビビり気味の私。

そんな私にさらなるプレッシャーをかけたのは、
なんと、パトカー!

「おっせぇ=な=!はっやく行けよ!!!」
(とは、もちろん言われてませんが…苦笑)

そう言わんばかりに私の後方にぴったりと張り付き、
隙あらば抜かしてやろう、と、あおる、あおる。
イライラ感が後方からひしひし伝わってきます。

そして、カーブを抜け直線に入った一瞬の隙に、
エンジン音を全開に唸らせたパトカーは
これ見よがしに私を一気に抜いたのでした。
でも、すぐまた前方の鈍い車に引っかかってたけど(爆)。

そういえば、ずっとずっと以前、
犯人を追跡しているわけでも、
指令が入った様子でもなさそうなのに、
突然、キーッと、けたたましいタイヤの摩擦音を響かせ、
通行人の注目浴びながら、カッコよくハンドルを切り返した
(切り返すはずだった…) パトカーが、そのままズッドーン
という豪快な音と共に、信号の柱へ突っ込んだのを
目の当たりにしたことがあります。

「これ、日本じゃあり得ないよな~!!!」

その時は本当にびっくりして立ち止まってガン見した私。
ですが、きっと今なら一瞬、足は緩めるものの、
チラ見して、苦笑して、そのまま通り過ぎちゃうかも…。

アッティコ・ローマ
村本幸枝