イタリアにわざわざ住みに来る外国人の気がしれない…という
イタリア人たち。その理由とは…?
イタリアでは物事がスムースに進まない、というのは周知の事実。
そんなイタリアでも「まし」と言われているのがボローニャのはず?
なのですが、実情はちょっと違うようです。
ボローニャ地方紙の記者が自ら体験した結果は下記のとおり。
【運転免許センターでの出来事】
受け付けているのは月曜から金曜の8時半から11時半のみ。
稼働している職員が少ないため、電話で問合せてもテープが流れるだけで
職員と話すのは不可能。電話代と時間を無駄にするだけなので、
ささいな情報を得るのにも結局は窓口まで来る方が確実。
インフォメーション専用の窓口がないので、ひとつ質問するだけでも、
最低1時間は待つ事に。
運転免許取得の筆記試験の申込みに来たある学生は11:35に着いたため、
すでにドアが閉まっていて中に入れず。
筆記試験の申込みは月曜のみなので1週間待たなければならない。
曰く「役所と同じで12:30までは開いていると思っていた。
まさか11:30で終わってしまうなんて思いもしなかった。
電話で時間を問合せようにもテープが流れて誰とも話せない…」。
窓口は開いていても受付は11:30きっかりで閉まってしまうのだ。
免停になった別の男性は必要書類のピックアップや提出で
すでに4回もセンターに通っているとのこと。
この日は10時に着いて番号札を取ったがすでに3時間半が経過。
4回通った内の1回は書類不備のため、散々待った挙げ句、
なにもできずに帰宅。
書類の確認をしようにも電話では不可能。
別の年配の女性は車の定期検査を忘れていて警察の取り締まりがあった際に
車検証を没収されたとのこと。警察から免許センターに送付された
車検証のコピーをもらうために並び、そのコピーを持って車検を済ませ、
車検終了の業者のサインが記載されたコピーを再びセンターに提出して
オリジナルのピックアップをしなければならないとのこと。
なんでわざわざ車検証のコピーをもらわなければならないの?
1回で済ませられればお互い楽なのに…というのが彼女のコメント。
【土地台帳管理局での出来事】
窓口が開くのは8:30からだが、書類提出に訪れる最初の土地測量技師が
やってくるのは朝の5時頃。おもむろに鞄の中から紙切れを出し、
自分の名前を書き、管理局のドアに貼ってから近くのバールへ。
その後も同じように次から次へと名前が書かれていく。
8:00になると名前を書いた人々が管理局前に再び現れ
8:30のオープンを待つ。
管理局のドアが開くと同時に名前の順に番号札が配られる。
職員は関与せず、すべて自分たちで考えた方法だとのこと。
書類に土地台帳管理局の印をもらうだけで1時間以上は待つことに。
番号札をもらって待っていても12:30になると窓口はクローズするため、
その日に用件を終えられるかどうかは最後まで不明。
1時間でだいたい3名くらいをこなすというのが平均的なペースらしい。
もっとも物事がスムースに運ぶと言われているボローニャの現状がこれなら、
いったいナポリはどうなっちゃんじゃい?
「なんでこんな国に好んでわざわざ住んでいるわけ?」
イタリア人がよくイタリア在住外国人に投げかける質問のひとつがこれ。
行き場のない彼等にしてみれば、なんでこんなに生きるのが大変な国を
わざわざ選ぶ外国人がいるのか疑問なんですね…きっと。
アッティコ・ローマ
村本幸枝