イタリアでは英語が通じると思っている方がけっこういるので
はないでしょうか? だとしたら、それは大きな誤りです。
彼等にとっても英語は日本人同様、よその国の言葉なのです。
旅行客の多い大都市のお店では必要程度の英語は通じても、
だからと言ってちょっとした世間話ができるわけではありません。
イタリアに来てイタリア人の言っていることが全く理解できない
のはとっても損。彼等の会話がちょっと分かるだけで、全く別の
イタリアが見えてきます。いかつい男が「マンマ〜」と甘ったる
い声で母親と携帯で話していたりとか。バールでの盛り上がって
いる世間話とか。
そんな話の内容がちらっとでも分かったらどんなに楽しいでしょう。
イタリアの面白さってそういうところにもたくさん転がっています。
イタリアではここ数年、メジャーな言語よりも日本語や中国語を習う
学生が増えています。ローマ大学に東洋学科ができたのはもうずい分
前のことで、日本に留学するイタリア人も年々増えているようです。
イタリア人にとってフランス語や英語を発音するよりも、実は日本語
の方が親しみやすいってご存知ですか? 母音のはっきりしているイ
タリア語は、実は日本人にとっても、とても発音しやすく、耳に入り
やすい言語なのです。だから、比較的単語の音も憶えやすいし、カタ
カナ読みで話かけても全く問題なし。後はイタリア語風の抑揚をつけ、
しっかりと発音すれば、なんとなくノリで通じてしまうようなところ
があります。つたないイタリア語でも彼等はしっかり受け止めてくれ
るはず。そこがイタリア人の良さでもあります。