英語を習得しようと思ったのは仕事に役立つと思ったから。
イタリア語をやろうと決めたのは、
はじめて訪れたローマがあまりにも印象的だったから。
英語を学ぶことは頭で決め、
イタリア語を学ぶことは心で決めたわけです。
当時、「イタリア語をやるんだ!」
という私の意気込みとは裏腹に、周囲のコメントは、
「イタリア語なんてやっても将来つぶしがきかないよ」
「どうせならフランス語かスペイン語にしたら?」と、
出端をくじくようなものばかりでした。
それから、20年…。
不思議なもので英語を使う機会はほとんどありません。
代わりに将来つぶしがきかないはずだった
イタリア語を武器に仕事をするようになりました。
イタリアに家を持ち、思い描いたとおり、
年の半分をイタリアで半分を日本で過ごしています。
「ローマに住んでみたい!」
という気持ちだけではじめたイタリア語を通じて、
いろいろな世界を知り、様々な人と出会いました。
語学には単に言葉を学ぶという事実だけでなく、
わくわくする何かが後ろに控えているような
不思議な魅力があるとは思いませんか?
そして、イタリア語を学んだ先にあるその何かは
きっと人それぞれなのだと思います。
アッティコ イタリア
村本幸枝