先日、シチリアでは35度近くを記録し、
3名が亡くなったというイタリア。
その後、また気温は下がったようです。
春から徐々に気温が上がり、7月上旬から8月に
かけて暑さがピークに達し、8月15日を境に
雨が降ってだんだん涼しくなるというのが
例年のパターンだったのはずっと昔のこと。
今では天候も気温も不安定でバカンスに最適な
時期が読めなくなってきているのが現状です。
とはいえ、バカンスに命をかけているイタリア人。
春になると「今年の夏はどこに行くの?」が
挨拶代わりになります。
以前はひと月の休暇を取って、南イタリアや南欧で
まるまる過ごすというのがイタリア人の典型的な
バカンススタイルでしたが、最近は7月の2週間は海、
8月の1週間は山など、バカンスを分けたり「食べ歩き」や
「美術館巡り」のようにテーマを決めて動く人が増えて
いるようです。その背景にはインターネットの普及があると、
旅行業界にいる友人が言っておりました。
昨年のイタリア人のインターネットによる購入率は40%増
との統計が出ていますが、内、旅行をネットで手配する人は
60%増となっています。いろいろな情報が簡単に入手できる
ようになったおかげで、興味あるテーマでバカンスを楽しめる
ようになったからなのでしょう。
イタリアの物価高が災いして国内よりも安いスペインや
ギリシャ、クロアチアなどに行くイタリア人が多いようです。
日本へバカンスに来る、または来たい、と思っている
イタリア人も年々増加しています。
なんといってもこの円安ですから。。。
逆にイタリアにバカンスで訪れる外国人として、
目立って増えてきているのが中国人とロシア人。
とくにロシアンマネーのパワーは目を見張るものが。
サルデーニャ島の別荘を扱っている不動産業を営む
私の友人によれば、最近、あるロシアの富豪が
「どうしてもこの家が欲しい!」と言い出し、
持ち主の言い値の250万ユーロ(約42億円)でその別荘を
購入したとか…。最近、ローマ市内にオープンした
高級鉄板料理店のオーナーがロシア人…という噂も
耳にしました。
1980年代後半から1990年代まではあんなにたくさんの
日本人観光客がひしめいていたローマ市内の様相も
だいぶ変わりました。でも、イタリア/日本間の飛行機は
いつ乗っても比較的混んでいます。
多分、イタリア通になった日本人が増え、
大都市集中型の旅行から田舎町や小都市に足を伸ばして、
もっと奥深いイタリアを楽しもうという人が増えたのだと思います。
アッティコ・ローマ
村本幸枝