イタリア ワイン危機?!

世界的な異常気象はイタリアをも容赦なく襲っている。
すでに北イタリアでは9月に入ってから
例年より2週間近く早い初雪を迎えた。
その後、9月下旬から10月上旬は暖かい日が続いていたが、
中旬に入って急に気温は下がり、
厚手のコートと手袋が必要なほど寒い日が続いている。
前日と翌日の気温差が激しく、雨が降るべき時期にはまったく降らず…。

昨年の冬は暖冬。
雪がまったく降らず、フィレンツェ郊外のスキー場は閉鎖を余儀なくされた。
4月なのに気温は40度を越し、記録に残る猛暑がイタリア全土を襲った。
雨不足と旱魃に悩まされ、さらには寄生虫が発生。

異常気象のせいで今年の各作物の生産量は過去60年間で最低となり、
悲惨な結果に終わった。それに加え、東ヨーロッパや北アフリカ、
トルコからたくさんの作物が輸入され、
イタリアの農家は大打撃を受けている。

ワインの主要生産国であるイタリアだが、
今年のブドウの生産量は60年来の少なさだ。
半世紀ぶりに収穫は前倒しとなった。
ブドウの生産量源が理由で、来年、高級ワインは約2倍、
平均で北部のワインは25〜40%、
南部のワインは約30%の上昇が見込まれている。

10月のイタリアといえば栗の収穫が盛んで、
イタリア全国の各産地では栗祭りが開催されるのだが、今年は害虫が大発生。
そのために栗の生産量も例年よりも30〜40%減となる。
栗だけではなくクルミも同様で1kgに対し、
少なくとも4ユーロの価格上昇となるらしい。
また、トリュフやきのこの収穫量も大幅に減少していると言われており、
今年のトリュフは過去最高の値がつけられるだろうと予想されている。
それでも、各生産地で予定されている食祭りは開催しなければならない。
関係者の間では、イタリア産作物の不足分を補うため、
東ヨーロッパから大量の作物が流入するのではと懸念されている。

Firenze 中林紀子

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