今年で国交樹立150年目を迎える日本とイタリア。
それに伴い今年は多くのイベントが開催されます。
昨日3/1から国立西洋美術館で開幕した
「カラヴァッジョ展」
も、そのひとつ。
そして、カラヴァッジョ展を鑑賞予定の方に、
ぜひ、ご覧頂きたいのが、現在発売中の
芸術新潮3月号「カラヴァッジョ特集」です。
ローマでカラヴァッジョ取材のコーディネートを
手がけさせて頂いたのは昨年11月のことでした。
編集部からお話しを頂いたのが昨年の夏前。
バカンスを挟んでいるとは言え、準備時間は
十分にあると、余裕たっぷりで構えていたら…。
1週間に渡る取材は私の長年のコーディネート
歴の中でも上位に浮上するほどの波瀾万丈ぶり。
頭を抱えてしまったのは、
撮影できるのか、できないのか、
できるなら撮影料はかかるのか、かからないのか、
かかるなら金額はいったいいくらなのか、
誰も明確に返答してくれないこと。
駄目なら駄目で動き方はあるけれど、
結論が出ないから待つしかない。。。
しかも、待ってOKが出るのかも不明…。
日本からわざわざイタリアまで来て、
結局、何も撮影できませんでした、
では許されないですから…。
イタリアのオーガナイズがひどいとは言え、
ここまで事が進まなかったのははじめてのこと。
取材を進めながら各機関と電話で交渉を続け、
結果、なんとか予定の撮影はこなすことが
できたのですが、最後まで泣かされたのは、
本来取材2日目にアポが入っていた某美術館。
内部の連絡ミスで取材数日前に突然撮影
できないことが発覚し、大量の冷汗が…。
泣きを入れ、怒り、脅し(?)、OKの返事を
もらったのは取材班が帰国する日の前日。
予備として取っておいた帰国日の午前中に
駆け足撮影をし、皆さんはそのまま空港へ
向かったのでした (汗)。
実は、昨年のその頃はスキャンダル発覚で
ローマ市長の辞職があり、文化庁の制度も
変わり、主要美術館旧館長から新館長への
交代があり、それに伴い撮影の決定権が
文化庁から各美術館に移行する最中など、
全ての変わり目、ちょうど台風の目の中で、
これ以上ない最悪の状態だったのです(涙)。
昨日まではうち(文化庁)が窓口だったんだけど、
明日からは美術館…だから、美術館に一から
申請し直してちょうだい、とか。
まだうちが管轄、美術館には権利はないのよ、
だから、うちの言うことが正しいの、とか。
私たちもいったい何がどうなっているのか、
どう変わるのか、いつから変わるのか
まったく知らせてないのよ、とか。
仕舞いには、ここだけの話しだけど、
どこどこのXXさんとXXさんは昔から犬猿の仲
でどっちも自分の方針を譲らないのよ…とか。
こうして、一度も顔を合わせたことのない窓口の
方々と毎日何度も電話でやり取りしている内に、
話しは内部事情や愚痴にまで至り、ある意味、
すっかり仲良くなってしまったのでした (苦笑)。
日本じゃあり得ないと思うのですが、イタリアの
面白さはこんなところにもあるのだと思います。
(ただし、笑えれば…の話しですが。。。)
アッティコ・ローマ
村本幸枝