イタリア・コーディネーターのつぶやき★マルケ、美食の旅

イタリア中部マルケ州、緑に囲まれた美しい丘に建つ
プール付きVILLAを1週間借りきり、村上眞理さんの
料理教室の生徒さんたちと、食べ三昧、飲み三昧の
旅を楽しんだのは約ひと月前。あまりの美食の日々
に未だに怖くて体重計に乗れない私です…(苦笑)。

Villaをレンタルしたコムナンツァ周辺は、
東に走ればアドリア海、西へ行けばシビリーニ山と、
海の幸あり山の幸ありの、知る人ぞ知る食の宝庫。

初日は日曜だったこともあっておとなしく(?)
アスコリ・ピチェーノの骨董市へ出向きましたが、
翌日からはフル回転。まずは有機ワインのつくり手
“Aurora”での試飲&爆買いからはじまりました。

生産数が少なくイタリア国内のみで消費されている
Auroraのワイン。赤ワイン「Barricadiero」は
ガンベロ・ロッソのトレビキーエーレ賞を獲得。
非常に優秀なつくり手ですが、みなさん素朴で親切。

全6種のビオワインは5ユーロから14ユーロ。
コスパ抜群、希少価値が高いとあってみんなで
目の色変えて爆買い。Villa用に、お土産用にと、
いったい何ケース買ったんだろう(苦笑)?

そしてシビリーニ山と言えばレンズ豆&トリュフ。
地元では有名な山中のパン屋で焼きたての
パン、スイーツ、パスタをこれまた爆買い。
そこで教えてもらった肉屋ではやみつきになる
ピリ辛生ハムオリーブオイル漬けの瓶詰めを
見つけて早速ケース買い。

別日は犬とともに山へ出陣。サマートリュフ狩り。
キノコとトリュフをもう食べられないほどゲット。
そして、それを美味しく調理するのはもちろん、
アッティコの料理教室講師、村上眞理さん。
プロ仕様の充実したVillaの厨房でワイン片手に
心地よい音楽のリズムに乗り、わいわい料理を楽しむ。

最高の食材にそれらを生かした最高の手料理。
緑に囲まれプールを見下ろすテラスで、気の合う
楽しい仲間と毎晩の宴。レストランに行こうなんて
発想が誰からも出ない贅沢三昧、美食の楽しい時間。
だから、未だに体重計に乗れないわけで…(苦笑)。

でも、そんななかでも印象深く心に残ったのは、
在イタリア約30年の私にとってもはじめての経験、
地元在住のVillaのオーナーさえもその存在を
知らなかった、天然ムール貝獲り!!!

船をチャーターし、アンコーナの港から1時間弱
ほど南下。そこには約1kmに渡ってムール貝が
密集し張りついている海中の壁が(多分、遺跡)!

「えぇ~、無理無理。海に入ってムール貝なんて
絶対に獲れな~い」と、前日まで腰が引けていた
メンバーが、ムール貝で真っ黒に覆い尽くされた
壁を目にしたとたん、壁に群がり、「楽しい~!」
「嬉しい~!」と叫びながらムール貝の束を素手
で剥がしはじめ、仕舞いには重くて船に上げるのも
苦労するほどの大量のムール貝を船に持ち帰り…。
食べ物の力って凄い!と、ただただ感心した私。
いやぁ~圧巻でした~(苦笑)。

獲りたてのムール貝はその場でレモンをキュッと
絞ってすきっと冷えた白ワインと共にもちろん生で!
生あり、ソテーあり、船上でもこれまたムールの宴。
ちなみに、地元では「ムール貝(Cozze)」とは
言わず、「モショリ(Moscioli)」と呼ぶそう。

そんな現実離れした1週間を過ごした皆さんは、
その後、ゆるやかに社会復帰をされている模様。
さて、来年はどこへ行きましょうか…?

アッティコ・ローマ
村本幸枝