ローマ法王のつぶやき?

毎週日曜、バチカン宮殿のバルコニーからサン・ピエトロ広場
に向けてキリスト教徒たちへ贈られる法王のお言葉。
去る9日、5万にものぼる人々が集まる広場に響いたのは、
ローマ法王の嘆きの声だったとか。

その内容は今どきの親が子供につける名前について。

曰く、『親愛なるルイジよ、今となってはミラノで
アンブロージョと出会うことがいかに困難なことか….』
(ルイジは聖人名。アンブロージョはミラノの守護聖人)

『ケヴィン、ブライアン、ディエーゴ、ジェシカ、ロミーナ
には、北にいても南へ出向いてもいくらでも会えるのに…』
(これらの名前はもともとはイタリアの名前ではなく外国名)

『フランチェスコ、アレッサンドロ、アンドレア、ソフィア、
そんな伝統的な聖なる名前を持つ子供たちに勝るとも劣らない
数のニコール、ノエミ、ジャーダがいるとは嘆かわしい…』

<余談>
ちなみに、ノエミちゃんはベルルスコーニ首相の最初の女性
スキャンダルの発端のなった18歳(当時17歳…驚)のナポリ
出身の女の子。18歳の誕生日パーティでベル首相を堂々と、
『パピー〜』と呼び、大騒ぎに(苦笑)。
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ご存知イタリアはカソリックの国。
子供が生まれると、聖人や聖書に登場する人物の名前を与え
(以前は祖父母の名前をつけるのが一般的だった)、洗礼を受け、
正式にカソリック教徒となります。

それが最近ではテレビや映画に登場するキャラクター名や、
有名人、時の人の名前などをつける親があまりに多すぎる、
というのがローマ法王の嘆き(法王がTwitterをやっていれば
つぶやき?)なわけです。

もし、ファシズム時代に、イタリア人の親の多くが子供に
ベニート(ムッソリーニ)や、アドルフォ(ヒットラー)などと
命名をしていたら、今となっては多くのイタリア人が
可哀想な想いをしていただろう…と、コリエーレ・デッラ・
セーラ(イタリアの全国紙)の記者は書いています。
(実際にそういう例もあります)

ちなみにその方自身も父親に『ウォルター(Walter)』と
名付けられそうになったところを、祖母が『そんな名前、
わたしゃ、毎回、孫を呼ぶたんびに舌を噛んじまうよ!』
との猛反対を受け『パオロ(Paolo)』におさまったとか。
ご本人はその名前にすこぶる満足しているとのこと。

イタリアでこの手の話しが出ると、毎回頭をよぎるのは、
サッカー選手、フランチェスコ・トッティの娘の名前。
その名も『シャネル!』
(あれ? シャネルって名字じゃなかったけ?)

アッティコ・ローマ
村本幸枝