先日、年配の女性二人で切り盛りしている新橋の小さな店で
友人と一杯やりながらイタリアの話しで盛り上がっていたら、
お店のおばさんが『あなたたちイタリア語分かるの?』と、
私たちが座っていた奥のテーブルに。
カウンターを指差して『あそこの四人、イタリア人なの。
合流したら?』ということで、奥にあった二つのテーブルは
またたく間にイタリア語エリアと化してしまいました。
ごくごく普通の店だし、もちろん英語メニューなんてないし
(というかメニュー自体がない?)、『なにゆえこの店?』と
尋ねたら『鉄板で焼く料理の音と匂いにつられて…』とのこと。
そこは『広島風お好み焼き屋』の店だったのです。
イタリアは規制が厳しく、鉄板焼きやテーブルで料理できる
焼き肉店を開けるのはなかなか大変。でも、鉄板焼き大好き!
というイタリア人はけっこう多いんです。
それにしても、東京を歩いていてイタリア語をふっと耳に
する機会がなんと多くなったこと!
昔は行きたくても高いし、遠いし、個人旅行を楽しむには
あまりに文化が違いすぎて(言葉も分からないし)不安だし、
というのが、イタリア人の日本に対する見解だったのですが、
今は安いし(ユーロ高も追い風になり)、治安はいいし、
格安航空券もあるしと、日本とイタリアの距離はぐっと
近づきましたよね。
現在イタリアから帰国中の私が日本にいるふた月の間にも
一度バカンスに来てすっかり日本が気に入ってしまったという
友人が遊びに来ることになっているし (彼女は日本語の勉強も
はじめました)、大事なクライアントも出張で近日来日の予定。
来年の春以降もイタリアから友人が続々と遊びに来ることに
なっています。
『これ、イタリアに帰っても使えないと思うよ』と私の
アドバイスを軽く聞き流し『安い!安い!』と感激しながら
必要ないものも含め、いろんなものを買って帰る彼等。
終いには持って来たスーツケースに入らず、アッティコ近く
の問屋街で安いスーツケースを買う友人までいる始末。
ついこの間まではまったく同じ光景を、
日本から遊びに来た友人がイタリアで見せていたんですが。
空港で免税手続きをする日本人旅行客もぐっと減りました。
ここ15年ちょっとで本当に色々なことが変わったなぁ〜と、
実感する今日この頃です。。。
アッティコ・ローマ
村本幸枝