一生懸命説明しているのに相手が理解してくれない時、
ローマをはじめとするイタリアの多くの地方では
「アラビア語で話しているわけじゃないのにどうして分かんないのよ!」
と相手に訴えることがあります。
ちなみにヴェネチアでは「トルコ語で…」、ナポリでは「ドイツ語で…」と、
例えるようです。同じイタリアでも街が変わるだけで難しい言語に対する
イメージが異なるのは面白いですよね。
それでは日本人にとって難しい言語はどの国の言葉なのでしょうね?
母音がはっきりしていてカタカナ読みで十分に伝わるイタリア語は
日本人にとって比較的口に出しやすく、音としても覚えやすい言語なので
この例えには当てはまらないと思いますが。
その証拠に日本に浸透しているイタリア語はけっこうあります。
例えば車の名前。
Piazza (ピアッツァ)は広場、Gloria(グローリア)は繁栄、Fuga(フーガ)は逃走。
他にも “公園”の意味を持つParco(パルコ)、”家”のCasa(カーサ)。
ファストフードのお店でも、”即座”のPronto(プロント)、
“敏速な”のVeloce(ヴェローチェ)などがあります。
逆にイタリアで外来語として使われている日本語も数多くあります。
“柿”はCachi(カーキ)、”津波”はTsunami(ツナーミ)、
“布団”はFuton(フトン)、”畳”はTatami(タターミ)等々。
スシ、サシミなどが一般的に使われていることはすでにご存知だと思います。
一番笑ったのは、ずっとイタリア語だと思い込んでいた”カニカマ”のSurimi(スリーミ)。
最近、ふと気づいて友人に尋ねてみたところ、
曰く「スリーミは外来語よ。イタリア語じゃないわね。
何語なのかしらねぇ」とのこと。
で、実は”すり身”だったと気づいたわけです。