子供の夏休み=イタリアの親の悩み

先週から続々と夏休みに入りつつあるイタリアの子供たち。
イタリアでは6月半ばから9月半ばまでの長い夏休みが当たり前。
海や山などの自然に囲まれ、治安のよい田舎に住む子供たちは
よしとして、問題は都会暮らしの子供たち。

イタリアの親はほとんどが共働き。
夏休み=子供の面倒は誰がみる? という問題に直面するわけです。
シッターさんを雇っても、有り余る子供のエネルギーのはけ口は
都会のマンションの中では当然得ることはできず…。

そこで登場するのが子供用のサマーイベント。
日帰りのものから数泊の短期旅行。
なかにはひと月まるまる田舎体験という長期のものまで様々。
そういったサマースクールを専門に企画・オーガナイズしている
民間の会社や団体がイタリアにはけっこうあるのです。

私が暮らすローマから30kmほどのブラッチャーノ湖でも
この時期になると子供向けのウインドサーフィン、カヌーなど、
各種ウォータースポーツ教室で湖はいっきに賑やかになります。

スポーツに限らず、料理、工芸、絵画などの文化講座も充実。
スイーツをつくったり、パンを焼いたりなど、絶対に学校より
楽しいだろうな〜という企画が目白押しなのです。
(大人でも楽しめそう)

塾なんて存在しないイタリアでは、とにかく休みに子供が
家の中でくすぶっているのはあり得ないというのが一般的。
(まぁ、子供自身もこらえ性がないですから…苦笑)

帰郷する、別荘へ移る、同世代の子供を持つそんなご近所さん
がいれば、ラッキー!とばかりに便乗してちゃっかり子供を
預けるケースも。

ちなみに(イベントの内容にもよりますが)1日子供を預けて
かかる費用は80~170ユーロ (10,000円~23,000円位)。

「あぁ…今年も夏休みが…」
「早く学校が始まらないかしら…」というのが親の本音。

うきうきする子供の顔と対照的に憂鬱そう〜な親の表情。
この時期のイタリアの風物詩のひとつです(苦笑)。

アッティコ・ローマ
村本幸枝