8/15のFerragosto (聖母被昇天の祝日)を挟む8月半ば。
夏休み真っ最中のイタリアを覆いつつある不吉な黒い雲。
楽しいはずのバカンスを手放しで喜べないイタリア人。
バカンス開けの9月、大型台風がイタリア全土を襲う
かもしれない…そんな不安が辺りを覆っています。
経済危機が本格的に表面化しはじめたイタリア。
株価が暴落した先日、ベルルスコーニ首相のコメント
は『株価と実体経済は別もの』という内容でした。
(だから、そんなに騒ぎ立てる必要はないと…)
その数日後…。
イタリア政府は本格的なコスト削減案を提案。
『血がにじむほどの心の痛みだ』
そんな首相の前置きの上で出された主な案とは、
●人口30万人以下の37県の廃止
●人口1000人以下1500市の合併
(上記2案により54,000人のリストラを実現)
●所得税の増税
●公務員の賞与廃止(冬のボーナス)
●公務員の退職金2年間先送り
●女性の年金65歳から(2020年から2015年へ前倒し)
●投資による利益に対する税12.5%⇒20% 等々
その他、内容不明のエネルギー分野に課せられる
『ロビン・フッド税』なるものも浮上…。
(水道光熱費がこれ以上あがるのか?!)
大きな犠牲を被るのは地方自治体のよう。
54,000人が職を失うかもしれない危機にさらされて
いるにも関わらず、多少の所得税増税はあるものの、
国会議員の議席数や様々な特権的恩恵は現状維持なのだとか。
先日、テレビのファイナンシャル・ニュースで、
米国人実業家がエネルギッシュな空気漂う新興国と
斜陽の先進国について語っていました。
『ないもの』を手に入れよう邁進する新興国
『あること』に慣れてしまっている豊かな先進国
そんなことを考えている時に届いた一通のメルマガが
日本に精通しているVittorio Volpi氏のコラムでした。
書かれたのは東日本大震災以前の昨年4月ですが、
それを読んでさらに考えさせられてしまいました。
東日本大震災、原発問題という大きな痛手を受けた
日本 (私たち日本人) が今後そこから何を学びとり、
子供たちのためにどういう未来を築いていくのか、
本当に心の底から考え、そして実行せねばなりませんね。
(大人の務めとして)
今回は筆を進めるうち(じゃなくて…)、キーボードを
たたくうちに、いつになくちょっと硬い内容に
なってしまいました…。
Vittorio Volpi氏のコラムです。ご一読を。
ミラノをベースに活躍するO女史が発行している
『Japan-Italy Business On-line』から
アッティコ・ローマ
村本幸枝